階層ベイズモデルによる林業労働災害の発生に及ぼす要因(森利誌38)
用途:
・データ取得年のbiningが面白いのと、階層モデルの作り方の参考になる(地域と年代)
・ロジスティック回帰のモデルを作る方法も良い参考
階層モデルを用いた木材乾燥における内部割れ評価の試み(第1報)
内部割れ総長さの要因評価(木材学会誌 Vol. 64)
用途:
・ゼロが多く観測されるデータでのモデリングに参考となった。(類似リンク)https://mstour.hatenablog.com/entry/2021/09/04/144905
・スピアマンの順位相関係数の使い方の参考になった。
・ドメイン知識のの見地から、「こうあるはずなのにデータのバラつきが大きいためにそれが従来の統計解析では拾えない」という場合、そのバラつきを適切に扱うモデルを使うことで、ドメイン知識に沿った解析が可能になるという事例。
所感:
・説明因子の選定方法が気になった。ドメイン知識のある人なら暗黙でわかるかもしれないが、個人的には回帰分析をする際の説明因子は、その現象(今回でいえば割れ)が発生するメカをロジックツリーでひも解いて、そのツリーの中から因子を選ぶのが過不足ないやり方かと思っている。
メカが分かりづらいときは機械学習的に因子選択をモデルにやらせるのも一手。
階層ベイズモデルを用いた丸太の天然乾燥における乾燥時間の推定および丸太の諸形質が乾燥性に及ぼす影響の評価(木材学会誌 Vol. 63)
用途:
個体差(ランダム効果)の項を入れる場合/入れない場合の違いを明示していてわかりやすく、ベイズモデルを使うメリットをうまく強調できているように感じた点で参考になる
扱っている材料中の水分が揮発する現象については、メーカーの材料品質管理においては割と応用の効きやすいテーマであるように思うので、今後出会ったときには思い出したい
所感:
・誤差を正規分布で表現できない場合には、一般化線形モデル等を活用するべきという主張が起点:これは久保先生の著書にもある通り
・ベイズモデル vs 従来の線形モデル を比較する形で推定結果の差が示されていれば、さらにベイズモデルの有用性について説得力が得られるようにも思った(於 原理的に正しいから方法を変えるべきという意見は、リスクを明示しないと通りづらい弊社)
・心材率と含水率の関係については、含水率を測定する際に辺材/心材で分けて測定する水準も入れておけばよかったのにとは思った
ベイズ統計によるパーティクルボードの強度性能の解析(木材学会誌 Vol. 65)
用途:
変動係数の確率分布を出すのはアイデアとして面白い
所感:
・前報と似た感じで95%区間の設定を5-100%区間に設定しなおしているが、
これも、強度が小さいことが材料性能を損なうことになるため、
それを敏感に検知できるように低モジュラス側を切るという設定にしたと考える
(JIS規格に適合=下限値だけ決まっているということor上限値は余裕がある、と考えた)
・JIS規格見ていないので何ともだが、EbとTbの関係から、高モジュラスの伸びづらい材料も
気にした方がいいような気がしたが、材の使われ方からして考慮不要なのかも...?
と思ったら最後の方で上限値がある旨の記載あり:じゃあ0-95でなく2.5-97.5でよくね?
21年間屋外暴露したMDF の曲げ強さの解析
ランダム効果を組み込んだ階層モデルのベイズ推定(木材学会誌 Vol. 65)
用途:
ランダム効果を実装する良い具体例(誤差=共通誤差+ランダム効果)
所感:
・ガンマ分布やめて対数分布orワイブル分布になっている
→これらの分布の違いを把握しておく
・最後のほうの誤差分散Saの95%信用区間を0-95&に設定したことは、
背景として測定点がこの95%区間に入る/入らないで対応/考察が変わるため
(例:95%区間外であれば特に劣化が激しいなど)その判断基準として使うために
区間をより安全サイドに設定しなおしたという理解でよい?
95%区間内or外でどうアクションが変わるか、という前提が記載あると親切
屋外暴露したパーティクルボードの曲げ強さの解析(第1報)*1
ガンマ分布を含む階層モデルのベイズ推定(木材学会誌 Vol. 64)
用途:
分散を推定することの意義についての良い具体例
建築/建造物の強度計算・保証はこういった考えを使っているのかも...
所感:
収束診断のRハットの数値がないことなどから、構築したモデルについてどの程度の情報を示すのが一般的なのか、若干気になった(頻度論で、検定時のp値を示すようなイメージ)